Q-8 カンチレバー工法でよく用いられる用語には、どんなものがありますか。

Answer

  1. カンチレバー工法
    移動作業車(Q-12図15)やその他の装置を用い、プレストレスト・コンクリート橋梁を片持ち張出しで架設する工法(Q-9)の総称です。
  2. 移動作業車
    移動作業車は、張出し施工時に主桁の先端に設置し、施工ブロックの橋体施工に必要な作業空間を確保する架設機械で型枠設備・足場設備を有しています。移動作業車は先端の施工ブロックの橋体自重と作業荷重を支持する構造となっています。
  3. 脚頭部
    脚頭部(Q-10図11)は、橋脚の最上部に位置し、橋脚と柱頭部との剛結のための鋼材や、仮固定のための仮設鋼材が配置される部分で、一般に他の橋脚部分より高強度のコンクリートが用いられます。また、柱頭部を施工するためのブラケット支保工の仮設鋼材も脚頭部に配置されます。
  4. 柱頭部
    柱頭部(Q-9図5)は、橋梁上部構造の一部で橋脚の上に位置する部分を称します。カンチレバー架設に用いられる移動作業車の最初に設置する場所となります。また、柱頭部は補助桁などを用いて架設する場合には、補助桁の支点にもなります。
  5. 中央閉合部
    カンチレバー工法では、両側の橋脚からのカンチレバー架設完了後に、カンチレバー架設区間を連結施工(Q-9図9)します。この施工区間を中央閉合部と称します。
  6. 側径間支保工部
    カンチレバー工法では、側径間部のカンチレバー架設完了後、側径間部の端部を支保工により施工します。この施工区間を側径間支保工部(Q-9図8)と称します。
  7. 張出し架設用PC鋼材
    カンチレバー架設中のコンクリート応力度に対して、架設構造系にプレストレスが有効に作用するように配置されたPC鋼材を架設用PC鋼材と称します。
  8. 連続PC鋼材
    閉合後、橋梁の完成構造系に有効にプレストレスが作用するようにPC配置された鋼材を連続PC鋼材と称します。このうち、閉合部と張出し架設部を一体化するために配置されるケーブルを連結PC鋼材と呼ぶことがあります。
  9. 仮固定工
    カンチレバー架設時のアンバランスモーメントに対して安定度を確保するために、柱頭部と橋脚とを仮に一体とするための構造を仮固定工と称します。この時、橋脚と橋体間で仮固定時に発生する反力を受ける部分を仮支承と称します(Q-10図11)。
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