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カンチレバー工法では、橋体先端に設置した移動作業車内で、短い施工区分毎に橋体を製作するため、 移動作業車に付帯設備や防護設備を備えることが容易で、 気象条件や桁下条件に比較的左右されないことなどから、 以下に示すような特長があります。
- 長大スパンの橋梁を経済的に施工できます。
- 山岳部の深い谷や、流量の多い河川や海上、交通量の多い街路上での架設に有効です。
- 移動作業車内で施工するので、気象条件に左右されず、 かつ安全に施工できます。
- 3~5mに分割して同一作業を繰り返すため、作業者の熟達が早く 品質の向上が図れます。
- 施工区分毎に誤差の修正が可能なため、施工精度を高めることができます。
カンチレバー工法の基本特許は、1971年(昭和46年)に期限切れとなりました。したがって、架設工法に対する特許はありません。しかし、本研究会加入各社は、 カンチレバー工法による橋梁の施工実績を積み重ねてきた過程において、数々の技術ノウハウを固有の特許として有していると考えられます。これらの特許権や再実施権については、個別会社間の問題と考えています。
また、本研究会は再実施権を付与する定着工法の協会等と異なり、使用材料等に制限を設けることはありません。したがって、カンチレバー工法において、使用されるPC鋼材や定着具は、施工性、経済性を考慮し、自由に選定すべきと考えています。